とにかく時系列順で書きなぐります。読み苦しいものになると思いますがご容赦下さい。

   ☆

26日、朝。この日のご宿泊客は師匠だけ。

入りの時間にあわせて早起き。前の日はお手紙だのメッセージカードだの慣れないことをしていたので寝るのが遅くなり、4時間睡眠だけど緊張感からかきっちり目が覚める。

ふたりとも異様に無口。いつもなら起きたとたんにマシンガントークなのに。

何とか間に合わせた白い服を着る。
必ずしも全身白い服でなくていいことは知っているけれど、このいかにも「タカラヅカ」な習慣が私は好きなのだ。

無口なまま日比谷に到着。すごい人・人・人。kineさんと合流。

初めて会服に袖をとおす。
その後劇場内で「み」さんにお会いしたとき、会服姿の私に「どこで調達したんですか?!」とびっくりされてしまったけれど、実は最初から千秋楽だけ着るつもりでフルセット購入していたのだ。

ケロちゃんファンとして初めてガードに参加する緊張感で、師匠やkineさんにろくに断りもいわず(ごめんなさい)スタンバイ場所へ。すごい人数。当たり前か。やっぱり全身白の人がほとんど。スタッフさんからリボンで作ったお花をもらう。指を通せるようになっていて、みんなで手につけて使うみたい。すごくきれい。こんなのも手作りなんだろう、大変な労力だろうに。声をそろえてケロちゃんにかける掛け声を書いた紙ももらう。3行あって「覚えられないっ!」と焦ったけれど入り・出・フェアウェルパーティの掛け声を1枚に書いてあっただけで、それぞれは1行ずつでほっとする。
ガードの位置へ移動。いつもハタから見て、整然としたもんだな〜と感心してた集団(十余年前に私がやってたころは今ほど整然としてなかった)のなかに自分がいるのが不思議な感じ。

まずはカノチカちゃん。かわいい。かわいすぎる。帽子以外は全部白で。ビデオカメラに何度もVサインをしていて。

しばらくしてケロちゃん登場。車で横切ったときから、悲鳴に近い歓声。
姿を見て納得。何なんですかそのベールはっ!
銀モールで縁取られたチュールをティアラとともに花嫁風につけて。服は全身真っ白。
すごくきれいだったよ。似合っていたといえないこともないよ。けど、何だかちょっと複雑な気持ちになってしまう。もう男役じゃないんですか?そばの人も「イヤだ・・・」と小さい声で、でも悲鳴のようにつぶやいていた。
でも、本当にきれいだった。笑顔がまぶしい。
片手にこれも銀モールで作られたシャンシャンのような謎の飾り物をぶら下げていて。何だろう、ベールと一緒に同期が作ってくれたのか?と思っていたらその通りだったことが後にフェアウェルパーティで判明した。けれどあれが何で、どのように使うべきものなのかは謎のまま。
私はぼーっとしてお手紙渡すタイミングもつかめずケロちゃんの方から手を伸ばされてしまって「慣れないことするもんじゃない」とちょっと反省したけれど。でもあのきれいな花嫁もどきさんを間近で見れてよかった。

楽屋口の前で大きな声でメッセージを言うケロちゃん。
ああ、何て言ってたっけな。「思いっきり泣いて、笑顔で見送ってください」だけは覚えてるんだけど。「ありがとうございました」も言ってたけど。なんかもっと言ってたけど覚えてない。
ひとつだけ思い出した。「この青空のように」って言ってた。本当にいいお天気だった。寒さもちょっと和らいで、穏やかな一日だった。月並みな言い方だけど、前途を祝福しているかのようだった。

晴れやかな笑顔、なんだけど満面の笑み、というのとは少し違って。やはりどこか、透き通って見えた。

楽屋口に入るギリギリまで手を振っていて。

一緒にしゃがんでいる周りの人はもう泣いてる人が多くて。私は素顔の汐美さんに近づくことに慣れていないので、「私が好きな(舞台上の)汐美さん」と「今目の前にいたきれいな人」を自分の中で結びつける作業に時間がかかってしまい、周りの空気になじめずぼーっとしていた。普段入り待ちをしないから「最後の入り」ということがピンと来ない。

そのままガード続行。

みっこさんが来る。同じ銀モールつきベールを肩にマント風にかけて。かっこいいっ!男役!ケロちゃんもああいう風にしてくれれば良かったのに、とちょっと思うけど、自分がどう見られてるかあまりわかってないオトメなケロちゃんらしくもあり。みっこさんはFCの人それぞれに1輪ずつ白い造花を渡していて。最後までキザでかっこよくて、でもどこかおっとりしていた。

ワタルさんが来る。男前だ〜。この公演、こんなに幸せに過ごせたのはワタさん率いる今の星組だからこそ。その思いはケロファン共通だろう。みんな大拍手で。

周りの空気に乗り遅れて泣けなかったし、掛け声は間違えるし(やっぱり2行目とごっちゃに覚えてしまったらしいですよこの人)お手紙は向こうから手を出されるし、と激しくヘタレなガード初参加だったけど、参加してよかった。ケロちゃんのこと舞台とか素顔とか関係なくすげー好きだと思った。

    ☆

師匠・kineさん・サトリさんと合流して朝食。やっぱり話題はベールのこと。
ムラのお稽古最終日もケロちゃんは花冠をかぶって出てきて、みっこさんは手に持って出てきたことをkineさんが指摘。やっぱりオトメなんだよねぇ、芸風はオヤジ(笑)なのに、という結論に。

    ☆

11時公演。

舞台も客席もハイテンション。大楽より高かったかもしれない、というほど。ああ、何があったっけ?もう記憶が。
コーザノストラ、後ろから檀ちゃんの肩に頭を乗せ、甘えるような形。切ない。
とにかく泣けて泣けて仕方なかった。
    ☆

そして、15時半。千秋楽。

場内はあちらにもこちらにも白い服。自力組(もちろん私もその口)も含めて、相当数のケロファン、退団者ファンが劇場に入れたようだ。私は会のチケットのことは良くわからないけれど、チケットのことで泣く退団者ファンが少なかったようで嬉しい。ワタさん初め他の会の方が多めに回してくれたのだろうか。ありがとう星組。

開演直前、オギーが通路をとおって席に着くのを発見。抱きついてお礼をいいたい気持ち。いや抱きつきませんけどね。

陳玄礼さま、美しい。美しい男役。いろんな人と目を見交わして笑顔。「泣かないでちゃんと観る」が目標だったのに開演10分で泣くなよ私っ。

オウムの場面のワタさんとトウコちゃんのアドリブの中に「良いお年を」という言葉が出てきた。来年の宝塚。ケロちゃんのいない宝塚。

不老長寿薬のくだり、
ケロちゃん「毒見をかねて我々みんなで飲んでみましたが、おいしゅうございました」
ワタさん「何っ?!お前たちでは効き目がわからないではないか」
檀ちゃん「陛下、高力士にも少し試していただいたら・・・」
ワタさん「そうだな、効き目が良くわかるかもしれん」
というような流れになっていた。檀ちゃんの台詞が脚本と全く同じなのに高力士へのフォローではなく落としになっていることに感心。頭いいなあ。誰が考えたんだろう。

最後まで、陳玄礼さまはムラや東宝の初日周辺のような熱さを取り戻さなかった。いつもよりは熱かったけれど、突っ走らなかった。少し淋しい。

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